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大入札会 特集記事Ⅵ 佐藤一斎 肉筆からその実像を辿る
江戸時代末期、外国船の来航が相次ぎ時代の変革の機運がにわかに高まってきた時代、儒学者・佐藤一斎(1772~1859)は、幕府の儒官として将軍や諸大名に教えを与えたほか、朱子学と陽明学を折衷した独自の思想で渡辺崋山、佐久間象山をはじめとした弟子にも多大なる影響を与えました。一斎の語録をまとめた『言志四録』は、のちに西郷隆盛が座右の書として心酔したことでも知られており、一斎の教えは「指導者のバイブル」として今尚、時代を率いるリーダーやビジネスマンたちに受け継がれています。
今回、令和7年11月思文閣大入札会では、佐藤一斎の肉筆の書画を四点お預かりいたしました。このコラムでは、活字になった資料からだけでは見えてこない一斎の実像を、彼が遺した筆跡から辿っていきます。
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渡辺崋山筆「佐藤一斎(五十歳)像」(部分)(東京国立博物館蔵)
※国立文化財機構所蔵品統合検索システムの画像を加工して作成
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今回は、佐藤一斎の書画四点をご紹介いたしました。
『言志耋録』(げんしてつろく)にて一斎は、「古書画は、皆古人の精神の属する所にして、書は尤も心画たり」すなわち、書画、とりわけ書は、古人の精神が宿る“心画”である、と語りました。そしてそういった古書画に相対することで古人に敬意を払って追慕し、自分の心を修養するようにと説いています。皆さまも一斎がその手で書いた書画に直に接すると、そこに込められた一斎の精神がより真に迫って感じられるのではないでしょうか。
令和7年11月入札では佐藤一斎のほかにも、一斎を敬愛してやまなかった西郷南洲をはじめとした幕末志士たちの書も出品されております。
思文閣大入札会を通じ、先人たちが筆に込めた思いや息遣いを感じていただければ幸いです。京都・ぎゃらりぃ思文閣の下見会では、今回ご紹介した書画を含めた出品作品全点を実際にご覧いただけますほか、大入札会専用サイトでも詳細画像の閲覧・ご入札が可能です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
大入札会下見会 開催概要
2025年 11月4日 – 11月9日 *入札締切 17:00
ぎゃらりぃ思文閣 <Google Maps>
10:00 – 18:00 *最終日は17:00迄
大入札会 特集記事Ⅵ 佐藤一斎 肉筆からその実像を辿る
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